親が年金だけで生活できない場合の負担と生活を維持するためにできること

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親が年金だけで生活できない場合の負担と生活を維持するためにできること

厚生労働省の「令和元年度 後期高齢者医療制度被保険者実態調査」によると、65歳以上で年金収入がない人は全国で約58万人います。65歳以上の人口が3,588万人なので、約16%もの人が年金なしで生活しなくてはならないのです。

もし自分の親が、年金なし、もしくは年金だけでは生活ができない場合はどうすればよいのでしょうか。

今回は、自分の親の年金生活について説明します。

親が年金だけで生活できないケースとは

なぜ、親が年金だけで生活できなくなるということが起こっているのでしょうか。

まずは、年金(収入)と老後の生活費(支出)から説明します。

年金がもらえない・少ない理由

日本の年金には、20歳以上の人に加入義務がある国民年金と、企業などで働く人が加入する厚生年金とがあります。

国民年金保険料は一律で、1ヶ月あたり16,540円(2020年度)です。厚生年金保険料は給与に応じて決まります。

年金がもらえない場合

国民年金を受給するには、10年(120ヶ月)以上、年金保険料を納付しなくてはなりません。原則として、それに満たない場合は年金を受け取ることができません。

年金が少ない場合

納付期間が十分であっても、国民年金保険料の未納期間が長い場合には、もらえる年金が思っていたより少ない可能性があります。厚生年金に加入していたとしても、保険料の算出基準となる給与(標準報酬月額)が低い場合は、同様に受給できる年金が少ないこともあります。

国民年金の「任意加入制度」

国民年金については60歳で加入義務期間が終了しますが、60歳以降も任意で加入できる「任意加入制度」があります。受給資格期間が足りない人や、保険料納付済期間が足りず老齢基礎年金を満額受給できない人が、60歳から65歳の間に国民年金保険料を納めることができる制度です。

さらに、高齢になっても受給要件を満たさない場合に「特例高齢任意加入」の制度もあります。任意加入に関する申告については、年金事務所で相談しましょう。

老後の生活費

総務省の高齢単身無職世帯の家計収支(2019年)によると、老後の平均的な消費支出は以下の金額です。

老後の平均的な消費支出
夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦 23万9,947円
60歳以上の単身世帯 13万9,739円

もし、この金額が毎月かかるとすると、年金などの収入がそれよりも少ない場合は、年金だけでは生活ができないといえます。

2019年には、老後の2,000万円問題が話題になりました。要約すると、夫婦ふたりで暮らす場合、年金を満額もらっていたとしても、計算上は2,000万円が不足するという問題です。

この金額はあくまで目安です。しかし、老後は年金を満額もらっていても月々の収支は赤字であることが多いため、年金が少ないならばなおさら、年金では生活ができないという状況が起こるのです。

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親の介護が必要になると子にはさらなる負担が

高齢の親を抱える家族では、できるだけ早期に金銭面も含めて対策を考える必要があります。介護が必要になると、家族の負担はさらに大きなものとなるからです。

親の介護という負担

厚生労働省によると、要介護・要支援の認定者数は年々増えています。平成30年から31年度までに、641万人から658万人と、1年間で約17万人(+2.6%)も増加しています

つまり、介護のことを無視して、親の生活費を計算することはできません。

なお、国の規定では、サポートの軽い順に「要支援」1~2、「要介護」1~5まで、7段階の介護度があります。介護度が高まると介護をする時間も長くなり、家族は働く時間も制限される傾向にあります。

これに親への金銭的な負担がのしかかると、家族にとっては重荷となるでしょう。

介護に関する負担や費用

在宅での介護でも、毎月1~5万円必要だといわれますが、実際のところ、親の介護にかかる費用はどのくらいのものなのでしょうか。

生命保険文化センターの調査「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」によると、老人施設への入居が可能な場合、必要な入居一時金は平均で69万円です。

加えて、月額利用料(管理運営費、光熱費、食費、介護サービス費)がかかります。さらに、医療費や日用品費の負担もあります。

結果として、月々の負担額は「15万円以上」が15.8%、「10万~12万5千円未満」が11.9%、毎月10万円以上の介護費用が生じる人が4分の1以上もいるという実態があるのです。

さらに、月々の負担額が、どれくらい続くのかも気になるところです。同じ調査では、介護に要する期間についても触れています。

介護期間(介護中の場合は経過期間)
介護期間 割合
2~3年未満 14.5%
3~4年未満 14.5%
4~10年未満 28.3%
10年以上 14.5%

平均では、54.5ヶ月(4年7ヶ月)です。介護を担う家族にとっては非常に長い時間です。

参考:介護に関する自己負担費用
自己負担費用 割合
500~1,000万円未満 9.8%
1,000~2,000万円未満 21.4%
2,000~3,000万円未満 16.4%

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親に年金がなく生活できないときの対策

親の年金がない、もしくは年金受給額が少ない場合、できるだけ早期から金銭面の計画を立てることが必須となるでしょう。

ここでは、具体的な対策についてみていきます。

生活保護という選択肢

親子共倒れを防ぐためにも生活保護の申請も検討すべきだといえます。

もし生活保護を受給できれば、生活扶助に加えて医療扶助も受けられます。しかし、生活保護は身内に支援できる人がいない場合にはじめて認可される制度です。

生活保護の申請の際は、以下のような条件を踏まえて審査が行われます。

  • 困窮の支えになる資産はあるか
  • 労働する体力や能力の有無
  • その他、公的補助金制度を活用できないか
  • 親戚関係に人からの援助を受けられないか

身内の財産調査も行われ、申請そのものが厳しい状態にあるのも現実です。

持ち家がある場合の生活保護

持ち家がある場合、生活保護は受けられないケースがあります。売却による利益が生活資金になると判断されるからです。

各市区町村によって基準額には差がありますが、持ち家の価値が各自治体に設定されている扶助基準額の10年分相当の不動産であるかという点が判断の分かれ目になるようです。

参照:
厚生労働省「不動産保有の考え方」

そのため、仮に売却しても最低限の生活が困難であるとみなされる場合や、生活するために家が最低限度必要なものであると認められた場合に限り、生活保護の基準の1つをクリアできます。

また、持ち家のローン返済中の場合はさらに条件が厳しくなります。生活保護費を、ローン返済に充てる目的で使用される可能性があるからです。

すでに返済の終わりが見えている人を除いて、一定以上の住宅ローンを返済している場合は、生活保護の受給は非常に厳しいといえます。

親に持ち家がある場合「リースバック」という方法も

親に持ち家があり、自宅の売却や転居が難しい場合は、リースバックという手段もあります。

リースバックとは自宅を不動産会社に買い取ってもらい、賃貸として不動産会社から借りることで住み続けることができる方法です。

不動産の所有権が不動産会社に移るため、固定資産税等の負担がなくなります。さらに、賃貸として居住することになるため、生活保護申請の受給条件に引っかかることはありません。

また、リースバックならば、手元にまとまった現金を用意できます。無年金や年金が足りない親にとっては、生活を維持するためにも十分に活用する価値がある方法でしょう。

リースバック会社の違いをチェック!

リースバックはサービスを提供する会社によって、違いがあることに注意しましょう。自宅の売却価格や賃貸借契約の期間、賃料など、条件やサービス内容がリースバック会社によって違います。そのため、1社とだけ相談するのではなく、必ず複数社と相談して、比較してから契約をしましょう。

複数のリースバック会社への問い合わせは「リースバック比較PRO」がおすすめです。リースバック比較PROであれば、一度の入力で複数のリースバック会社へまとめて問い合わせられます。あとは各リースバック会社と相談してサービス内容を比較し、気に入った会社と契約するだけです。

入力する情報には、自宅の建物や土地の面積なども必要です。あらかじめ登記事項証明書(登記簿謄本)などを用意しておきましょう。

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執筆・編集

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