リースバックできない物件とは?土地や建物以外が原因のケースや対処法も紹介

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リースバックできない物件とは?土地や建物以外が原因のケースや対処法も紹介

リースバックを利用して住み続けたいけれど、自分の家は対象外かもしれない…」そう不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実際、リースバックは物件や契約条件によって、利用できないケースが少なくありません。この記事では、リースバックができない物件の特徴や、土地や建物そのものではなく、その他の理由で断られるケース、そしてその対処法について詳しく解説します。

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リースバックできない物件

リースバックは、「まとまった資金が必要」「ローンの返済が難しい」でも「いまの家に住み続けたい」といった方々にとって、役立つ仕組みです。

しかし、すべての物件がリースバックの対象になるわけではありません。以下のような物件はリースバックの対象外となるケースが多いので、確認しておきましょう。

  • 借地に家が建っている借地権付き建物
  • 立地のよくないマンション
  • 物理的・心理的瑕疵のある物件
  • 違法建築物件
  • 事業用に建てられた物件
  • 市街化調整区域にある物件

借地に家が建っている借地権付き建物

建物は自分の名義だが土地は借地の物件、いわゆる借地権付き建物の場合はリースバックできない可能性が高くなります。

借地権付きでは物件の評価に土地を含められず、建物だけの評価となるため、物件全体の評価が低くなりがちです。

この評価の低さにより、不動産会社が物件を買い取る際に利用する金融機関からの融資が十分に受けられないおそれがあります。リースバックを行う不動産会社は、買い取った物件を再度売却して利益を得ることを目的としており、その際に金融機関の融資が重要な資金源となります。

しかし、借地権付き建物は評価が低く、金融機関が融資に消極的であるため、不動産会社にとって売却が難しい物件となり、リースバックの実行が難しくなることが多いのです。

立地のよくないマンション

駅から遠すぎる物件や、生活環境の整っていないような立地のよくないマンションの場合、リースバックができない可能性が高いです。

マンションのメリットのひとつとして、立地がよいことが挙げられますが、立地が悪いマンションは売却しづらい物件になります。

借地権付きの建物と同様の理由で、最終的に売却して資金回収を考えると、立地が悪く売却しづらいマンションはリースバックが難しい場合があります。

また、マンションだけではなく戸建ての場合でも、駅から著しく遠い周辺に住宅がないがけ崩れのリスクがある場所に立地する物件など、立地が悪く売却が難しい物件はリースバックの対象外になるおそれがあります。

物理的・心理的瑕疵のある物件

瑕疵かし」のある物件とは、欠陥や問題がある物件のことを指します。

物理的瑕疵のある物件とは、建物自体に問題があり、例えば建物が傾いていたり、雨漏りしていたりするような物件です。

これらの物件は修復に多大な費用がかかることが多く、場合によっては修復が不可能なこともあります。そのため、物件の評価が低くなりがちです。

心理的瑕疵のある物件は、過去に殺人や自殺があったなどの理由で心理的に問題がある物件です。こういった物件も市場価格よりも低くなりやすく、評価が難しくなります。

物理的または心理的瑕疵のある物件は、十分な価値を評価することが難しいため、リースバックの対象外となる可能性が高いです。

違法建築物件

「違法建築物件」とは、法律に反して建てられた物件のことです。これらの物件は、適法な状態に戻す必要があります。

しかし、現実的には修復が不可能で違法なままの場合が多いです。違法建築物件の取引自体は違法ではありませんが、金融機関からの融資は受けられません。

一方、「既存不適格物件」とは、建築当初は適法だったものの、その後の規制強化により現在の基準に適合しなくなった物件を指します。

既存不適格物件は違法ではないため、金融機関からの融資も受けられますし、修復の必要もありません。

しかし、建て替えの際には現行の法律に適合させる必要があり、元の建物と同規模の建物が建てられない可能性があるため、評価が低くなることがあります。

「違法建築物件」は多くの不動産会社でリースバックの対象外ですが、「既存不適格物件」の場合はリースバックが可能な場合もあります

事業用に建てられた物件

賃貸併用の住宅や店舗付き住宅など、事業用に建てられた物件の場合はリースバックができない可能性があります。

賃貸併用の住宅は家賃収入を得ながら自宅としても住めるというメリットがある物件ですが、自分の住宅の一部を他人に貸すことに抵抗を感じる方も多く、需要が多い物件とはいえません

また、店舗付き住宅も店舗の業種や立地が限定されてしまうため、流動性の低い物件になってしまいます。

事業用に建てられた物件は、一般的な住宅に比べて需要が少なく売却が困難なため、リースバックの対象外になる可能性が高くなります。

市街化調整区域にある物件

市街化調整区域とは原則、建物が建てられない地域になります。例外として市街化調整区域であっても建物が建てられたり、再建築が可能だったりするケースもあります。

しかし、所有者が変わると建て替えが許されないケースや、いまは認められている例外が条例などで変更されてしまうリスクなどもあります。

そのため住宅ローンなどの融資が付きにくいこともあり、市街化調整区域にある物件は評価が低くなってしまい、市街化調整区域内の物件はリースバックの対象外にしているリースバック会社もあります。

物件以外が理由でリースバックできないケース

物件以外の理由でリースバックができないケースもあります。主に、売主の状況によってリースバックができないケースとリースバック会社の都合でリースバックができないケースになります。

保証会社の審査に通らない

リースバックは不動産会社に物件を売却し、その不動産会社と賃貸借契約を結び、売却後も家賃を払ってそのまま住み続けられるシステムです。

しかし、賃貸借契約を結ぶには保証会社の保証契約が必要になります。

保証会社は、賃借人が家賃を滞納した場合に保証人に代わって家賃を支払う会社です。この保証を受けるには、保証会社の審査に通る必要があります。

しかし、審査に通らなかった場合、賃貸借契約が結べず、リースバックもできなくなってしまいます。

オーバーローンである

売却金額よりもローン残債が多い状態のことをオーバーローンといいます。リースバックを行う場合、売却した金額で住宅ローンをすべて完済する必要があります。

しかし、オーバーローンの場合は住宅ローンの完済ができないため、リースバックができません。

同居しない共有名義の人がいる

自宅を共有名義にされている方も多いですが、同居しない方と共有名義になっている場合、リースバックには注意が必要です。

まず、複数人で共有している場合、共有者全員の売却の同意が必要です。また、売却した際は、その売却金額は共有名義の持分に応じて分配する必要があります。

例えば、2人の共有名義で2分の1ずつの持分で1,000万円で売却した場合、500万円ずつに分ける必要があります。共有している人が同居していない場合は、売却した金額の一部が取られてしまうため、十分な手取りにならない可能性があります。

共有名義人全員から、リースバックの同意が得られていないと、十分な手取りにならない可能性もありますし、共有者同士のトラブルに発展してしまう可能性もあります。

すでに競売手続きが始まっている

ローンの滞納が続いていて競売手続きが始まってしまっている場合、その手続きの進行具合によってはリースバックができない可能性があります。

競売手続きが進んでいて、すでに売却価格が決まってしまっている場合は、それ以上の金額でなければ競売の手続きを取り下げられません

また、競売の入札期日まで時間がない場合、不動産会社の買取手続きが間に合わない場合もあります。

リースバックを検討しているなら競売手続きが始まる前に、なるべく早めに不動産会社に相談することが重要です。

税金の滞納などで差し押さえられている

固定資産税や市民税を滞納しているなどの理由で物件を差し押さえられてしまっている場合は、リースバックができない可能性があります。

ただし、滞納額を支払えば差し押さえを外すことができ、リースバックで得られた売買代金から滞納額を支払うことで差し押さえを外すこともできます。

その場合は、役所との事前協議が必要です。

税金以外の差し押さえがある場合も同様に、差し押さえをしている人との協議によっては、リースバックで得られた売買代金から滞納額を支払うことで差し押さえを外せます

リースバック会社の対象範囲外

リースバック会社によって、対象になる物件や条件は大きく異なりますので注意が必要です。

二世帯住宅は不可、築年数や売主の年齢の制限などリースバック会社によってルールが設けられていることがあります。

対象になる物件や売主については、ホームページなどで公開されていることもあります。リースバックを検討する際には、複数の会社の条件を比較し、自分の状況にもっとも適した会社を選ぶことが重要です。

リースバックできないときの対処法

リースバック会社に相談したものの、断られてしまった場合はどうしたらよいでしょうか。リースバック会社は1社だけではありませんし、リースバックだけが解決方法ではありません。

リースバックができないときの対処法を解説します。

任意売却を検討する

任意売却とは競売手続きの前段階で銀行や保証会社と相談しながら売却する方法です。競売よりも高く売れる可能性があり、買主とリースバック契約を結ぶことも可能です。

そして、任意売却を専門に取り扱っている不動産会社が存在し、任意売却をされる方でリースバックを希望される方が多いため、リースバックができない場合の対処法のノウハウを多く持っています。

リースバックを条件に買い取ってくれる不動産会社を探してくれることもありますし、売主の状況に合わせてリースバック以外の方法を提案してくれるかもしれません。

リバースモーゲージを利用する

リバースモーゲージは、所有している物件を担保にして融資を受ける方法です。一般的な住宅ローンとは異なり、月々の支払いは金利のみで、借入元本は所有者が亡くなったときや物件を売却したときに一括で返済します。

前提としてリバースモーゲージは高齢者を対象とした融資で、物件に既存の住宅ローンの返済が終わっていることや、物件の評価が高く、担保としての価値が認められる必要があります。

リバースモーゲージはリースバックと同様に、いまの家に住みながら、まとまった資金を手元に残せる代替手段となります。

高齢者にとっては、生活資金を確保するための有効な方法です。

複数のリースバック会社に相談する

リースバックできる物件や条件については、リースバック会社によってさまざまです。ひとつのリースバック会社で断られても、別のリースバック会社ではまったく問題にならなかったということもあります。

そのため、リースバックを相談する際は、複数のリースバック会社に依頼することをおすすめします。

また、「リースバック」の歴史はまだ浅く、宣伝している会社はまだ多くありませんが、実際はリースバックを行っている不動産会社も数多く存在します。

「リースバックを取り扱っています」とうたっていない不動産会社でも、リースバックができる会社もありますので、相談してみる価値はあるでしょう。

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