厚生労働省の調査(平成29年「年金制度基礎調査」)によると、65歳以上で年金をもらっている人のうち、56.8%の人は「年金以外の収入がない」とのことです。
やはり、老後の収入源は公的年金が中心になることがわかります。
もらえる公的年金が少ない場合は、当然として生活が困窮します。今回は、少ない年金で暮らす方法と、それでも生活が厳しい場合の対策を紹介します。
年金生活の現実
まずは、老後の年金生活の実態をみていきましょう。
国民年金のみでは老後は厳しい
日本の年金制度は「二階建て」に例えられます。20歳以上になるとすべての人が加入する「国民年金」と、会社員・公務員の人が加入する「厚生年金」の2段階で成り立っているからです(以前は、公務員には共済年金という別の制度がありましたが、現在は厚生年金に統合されています)。
そして、高齢になると老齢給付として、それぞれの年金制度に加入していた期間に応じて年金を受け取ることができます。このとき、国民年金からは「老齢基礎年金」、厚生年金からは「老齢厚生年金」を受け取ることができます。
つまり、多くの人は、国民年金と厚生年金を合わせた金額の年金を受け取っています。
しかし、ずっと自営業であったり専業主婦であったりした人は、厚生年金の加入期間がないため、国民年金からの年金しか受け取れない場合があります。また、厚生年金は、たとえ1カ月でも加入していれば受け取りの資格があります(※ただし、国民年金の受給資格を得ていることなどの諸条件あり)が、加入期間に応じて額が変わるため、会社員として勤務した期間が短ければ受け取れる額は少なくなります。
このように、国民年金と厚生年金の両方を受け取る人が多数派ではありますが、国民年金だけで生活していたり、厚生年金を受け取っていたとしても額が十分でなかったりして、老後生活に不安を持っている人も多いのです。
国民年金の受給額は月7万円程度
では、公的年金は、具体的にはどれくらい受け取れるのでしょうか。
国民年金から給付される老齢基礎年金は、基本は定額です。2020年12月現在の水準では、年額「約78万円」となっています。
月あたり約6万5,000円です。
ただし、年金保険料を払っていなかったり、減免されたりしていた期間があると、そのぶん、少なくなります。また、未納期間が多くて、納付済期間が10年未満になってしまうと、受給資格を得られず、年金が受け取れないこともあります。
一方で、厚生年金から給付される老齢厚生年金は、加入期間と、加入中の収入額によって異なります。
厳密な計算方法は非常に複雑ですが、目安として概算すると、22歳から60歳までの38年間、会社員として勤務し、この間の収入が月額30万円だったとすると、受け取れる給付額は、老齢基礎年金と合わせて年額170万円程度です。
月あたり約14万円です。
ただし、扶養している配偶者がいる間などは、給付額が上乗せされる仕組みもあります。正確な額を知りたい場合は、ねんきん定期便や、ねんきんネットで調べることができます。
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老後、年金だけで生活する方法
先述のように老後の収入は公的年金が中心です。しかし、年金だけの収入で生活していくことはできるのでしょうか?
年金7万では生活できない?
総務省の調査(「家計調査年報(家計収支編)」2019年)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の消費支出は月あたり平均23万9,947円です。消費支出とは、税金や社会保険料を含まない支出のことで、一般的に「生活費」にあたるものです。
毎月24万円程度の支出だとすると、年金が国民年金だけの月7万円程度ではかなり厳しいといえます。厚生年金があったとしても、額によっては赤字になってしまい、現役時代の貯蓄を取り崩していくしかありません。
厚生労働省が発表している簡易生命表(令和元年版)によれば、65歳の平均余命は男性19.83歳、女性24.63歳です。65歳で年金生活に入った人は、その後、20~25年間の生活のことを考えなくてはなりません。その間、赤字でも家計が破綻しないだけの貯蓄を用意しておくことができるでしょうか?
しかも、年金額は減少傾向にあるなか、平均余命は徐々に延びており、「人生100年時代」といわれるようになっています。ますます、問題が深刻化していることがわかります。
少しでも収入を増やすには
年金だけで生活していくのが難しい場合、できることは、生活費を切り詰めるなどして支出を減らすか、どうにかして収入を増やすしかありません。
できることなら、老後はゆったりと、節約など気にせず暮らしたいものです。
収入を増やすには、以下のような方法が考えられます。
- 年金額を増やす
- 公的年金以外の収入源を持つ
1つ目の、年金額を増やす方法にはどんなものがあるでしょうか。
まず、国民年金の減免期間や未納期間がある場合、追納をすることで、年金額を満額に近づけることができます。ただし、追納できる期間には限りがあるので要注意です。
また、2020年現在は、65歳から公的年金を受け取り始めるのが一般的ですが、最長で70歳まで繰り下げることで、繰り下げた期間に応じて年金額が上昇する仕組みもあります。さらに、自営業者の人には、付加年金や国民年金基金といった、年金保険料を上乗せして支払うことで、年金額を増加させる制度もあります。
2つ目の、公的年金以外の収入源を持つ方法は、働いて収入を得るというのもひとつの方法です。また、私的年金を準備しておく方法もあります。私的年金とは、公的年金とは別の制度や、民間の金融商品などを利用して、自分で用意する年金のことで、以下のようなものがあります。
- 財形年金貯蓄
- 確定拠出年金(iDeCo)
- 小規模企業共済
- その他企業年金
- 個人年金保険
- 変額年金
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年金だけで生活できない場合
年金だけで生活することができない場合には、どのような選択肢があるのでしょうか。
年金少ない場合の最終手段「生活保護」
年金額を増やす方法をいくつかお伝えしましたが、いずれも、若いうちから準備をしておかなくてはならないものです。また、掛け金なども必要なので、以下のような場合は難しいです。
- 収入が少なく、準備ができなかった
- 年金を受給する年齢が間近
そうなると、いよいよ年金だけでは暮らしていけないことになります。
その場合、最後のセーフティーネットとしての、生活保護に頼らざるをえません。
生活保護は、「法律で定められた最低生活費に満たない収入しかない人が、どうやってもそれ以上の収入を得られないときに、最低生活費に満たないぶんを支給してもらう」という社会福祉の制度です。ここでいう最低生活費の額は、住んでいる地域と年齢にもよりますが、年金生活者の年代であれば、おおむね3~4万円でしょう。
年金収入だけの人も、その収入が最低生活費に満たなければ、生活保護の対象になります。利用するには地域の福祉事務所に相談します。
ただし、資産を持つ人はそれを売却するなどしてお金をつくるように促されます。生活保護はあくまでも「最後の手段」と位置づけられているからです。
そのため、自宅が持ち家という人は、マイホームを手放してからでないと生活保護は受けられない可能性が高いでしょう。
自宅不動産を持っているならリースバックという手段も
持ち家があるなら、他の方法を模索できます。それがリースバックです。
リースバックとは、所有する不動産を売却し、その後、買い手との間で賃貸契約を結んで、売却した不動産を賃貸するというものです。
単純に自宅不動産を売却すると、当然ながら、その家からは退去しなくてはなりません。それに対してリースバックでは、家の所有権は買い手に移りますが、自分自身は賃貸という形で、同じ家にそのまま住み続けることができます。
生活保護を受けようとすると、自宅を売却してお金に変えて、まずはそのお金で生活し、それでも困った場合に生活保護を受けます。つまり、自宅を売って手放して、どこか別の賃貸に住まなくてはなりません。
リースバックなら、自宅を売却してお金を得ることは同じですが、住むのはもとの家です。家を売却して、まとまった資金を手に入れながら、生活環境を変えなくてもいいという大きなメリットがあります。家を売却したことは外部からわからないため、生活が苦しいことをご近所に知られたりしないのもメリットといえるでしょう。
リースバックは複数社との相談が重要
リースバックはさまざまな会社が提供していて、利用の条件やサービス内容に違いがあります。そのため、リースバックは1社だけでなく、複数の会社と相談することが大切です。各リースバック会社の違いを比較して、求めるサービスを提供する会社と契約しましょう。
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