戸建て住宅を所有している方は、「戸建てでもリースバックを使えるのか」気になると思います。実は、リースバックというサービスの性格を考えると、マンションよりもむしろ戸建てのほうが適しています。
そもそもリースバックは、所有する家を売ってから、その家について賃貸の契約を交わすことで住み続けることができるというものです。それが、なぜ戸建てと相性がよいのでしょうか。
今回は、戸建てのリースバックについて、特徴や活用事例を紹介します。
なぜ戸建てがリースバックに向いている?
リースバックの対象となる物件の種別はさまざまです。
- 戸建て住宅
- 集合住宅(マンション)
- オフィスビル
- 事務所
- 店舗
- 工場
中でも戸建て住宅はとくにリースバックに向いています。まずはその理由を紹介します。
戸建ては土地の価値が高い
リースバックは、物件を売却してまとまったお金を得るために利用されるのが一般的です。しかし、築年数が経過した古い物件を対象に利用する場合、査定時に値がつかず、十分なお金を得られない可能性があります。
土地がセットになっている戸建てなら、土地には経年劣化がないため、相場に近い金額での査定をしてもらいやすくなります。むしろ、ニーズの高い土地であれば購入時よりも高い金額での買取を提示されることもあります。
買い取る事業者の立場になれば、将来活用できるかどうかも重要なポイントです。今は賃貸物件でも、将来は建物を取り壊すなどしてその土地を活用できます。実は、土地を有効活用できないという理由からマンションを扱わないリースバック事業者も少なくありません。
戸建ては引っ越しが大変
戸建ての場合、複数階あり部屋数が多かったり庭があったりするため、マンションよりも引っ越しが難しい傾向にあります。不動産を売ってお金に変えたくても、引っ越しができずにそれを断念する方もいます。
リースバックを使えば、引っ越しをせずに家を現金に変えることができます。近い将来引っ越しをする予定なら、その準備に利用することもできます。
ちなみに、SUUMOによると、通常期の戸建て住宅(3LDK~)の平均引っ越し費用は、75,770円だそうです。この引越し費用を浮かせられるメリットも大きいでしょう。
戸建ては管理費がかからない
リースバックを利用すると、売却後は自宅が賃貸になります。
リースバックのポイントとして、利用前後の固定費の変化があります。利用前は、固定資産税や、マンションなら管理費や修繕積立金が発生していたところが、利用後は家賃が中心になります。
マンションを賃貸とする場合は、家賃に加えて管理費が発生します。戸建ての場合には存在しない項目ですので、余計なコストと捉えられるかもしれません。ただ、戸建ての場合も建物の修繕などは新たなオーナーが担うため、その経費分が家賃に含まれていると考えることもできます。
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戸建てのリースバック活用事例
戸建てとリースバックの相性の良さについては紹介しました。ここで、実際の利用シーンをイメージしやすいよう、戸建てにおけるリースバックの活用事例を紹介します。
相続の対策としてリースバックを活用
エピソード
長年住んだ戸建て3階建ての家。築年数が40年近くなっており子や孫に残せるような状況になく、このままでは相続の際にトラブルの種になると思い売却を考え始めました。しかし、夫婦ともども高齢で片付けがなかなか進まず、「このままではいつ売れる状態になるかわからない」と心配していました。そんなときに、相談をしていた不動産屋の方が、リースバックを使えばすぐに相続の問題は解決でき、また老後資金としてまとまったお金を得られることを教えてくれました。結果として、リースバックで所有権を手放し、相続の不安もなくなりました。老後資金も得られたので、ゆっくりと片付けをしていこうと思います。
考察
家を売却するには2種類あり、不動産会社に直接買い取ってもらうパターンと、仲介会社を通して第三者に売却するパターンとがあります。
とくに後者については、家を片付けて、買った人が住めるような見せ方をしなくてはなりません。しかし長年使った戸建ての場合、それをするのが難しいケースも多いようです。その点、リースバックなら入居者が変わらないので売却時点での片付けは不要なので、すぐに手続きを進められるのでメリットが大きいのでしょう。
夢のマイホームを手放さないためにリースバックを活用
エピソード
こだわって建てた注文住宅でしたが、事業が傾いたことで住宅ローンの返済が滞り、家を売らなければ生活の立て直しが難しいところまで来ていました。そこで、家の売却査定をしましたが、建物の査定額は購入時の金額に比べるとあまり高くありませんでした。その時に知ったのがリースバックです。賃貸になったとしても同じ家に住みたかったので、利用するためにいろいろと動いてもらいました。任意売却との併用で話をつけて、契約は無事に成立しました。将来買い戻す契約も入れられたので納得しています。
考察
マンションよりも戸建てのほうが一からこだわって建てている方が多いのも事実で、その意味でもリースバックとの相性はよいといえます。
この事例では2つポイントがあります。
一つは任意売却です。任意売却とは、売却代金を充てても住宅ローンを返済できない状況において、金融機関の許可を得られれば通常通り売却を進められるというものです。少しむずかしいですが、リースバックとの併用も可能なので、どうしても家を手放したくない方は相談してみるとよいでしょう。
もう一つは、買戻し契約です。リースバックでは、事前に取り決めをしておけば賃貸となった後でも一定期間内なら買い戻すことができます。こだわりの家だからこそ将来買い戻したいという方はこちらも相談してみましょう。
戸建てのリースバック利用までの流れ
戸建ての場合のリースバック利用までの流れを紹介します。申込みから契約まで、どのような手順で進むのでしょうか。また、損をしないために押さえておきたいポイントも紹介するので、参考にしてみてください。
戸建てのリースバックの流れ
事業者によって違いがあるので、以下はあくまで一例です。
- 相談
- 簡易査定
- 戸建て住宅の現地調査
- 見積もり提示
- 契約
どういった内容でリースバックを申し込んだのか、專門の事業者に相談をすることから始まります。
事業者は情報をいろいろとヒアリングしたり登記簿を調べたりして、物件の価値を算出します。簡易査定結果として、ここで提示されることもあります。
その後、現地調査として担当者が物件の確認を行います。
正式に見積もりが提示され、その内容を元に多少の交渉が行われます。見積書には有効期限が設定されていることもあり、それを過ぎた場合は再見積もりが必要です。
条件に合意すれば、契約が交わされます。リースバックは売買契約と賃貸借契約をそれぞれ締結します。通常の不動産売却なら契約で日時を決めて、物件の引き渡しと同時に現金の決済を行いますが、リースバックでは引き渡しがないので、売買契約と賃貸借契約が完了するとすぐに振り込みが実行されます。
戸建て住宅のリースバックで損をしないために
もっとも有効なのが、相見積もりを取得するという方法です。複数の事業者に相談すれば、提示された条件を比較し、よりよい会社を選ぶことができます。
戸建ては、リースバックのなかでもとくに一般的な物件の種類です。そのため、取り扱い可能な事業者が比較的多いという特徴があります。複数の事業者から提案をもらいやすいので、ぜひ相見積もりを取得してみてください。
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