住宅ローンを借り始める年齢によっては、定年後も住宅ローンの支払いが続きます。借りるときは、月々の支払いを抑えるために長期間の契約を結んだとしても、いざ定年が近づいてくると、定年後もローンの支払いができるか心配になってくるのではないでしょうか。
今回は、定年後の住宅ローンの支払いが心配な方へ、その対処方法を解説していきます。
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住宅ローンが払えない高齢者が増えている?
住宅ローンが払えない状況に陥る高齢者は、増加傾向にあるようです。なぜ労働の現役世代で住宅ローンを完済できない状況が生まれているのでしょうか。ここで、いくつかの要因を紹介します。
予想外の収入減少
月々の支払いを抑えるために、ボーナス払いや退職金による一括返済を想定して住宅ローンを組む方も多くいます。しかし、度重なる不況の影響で会社の業績が悪化し、想定よりもボーナスが低くなることで、貯金の切り崩しなどによる住宅ローンの支払いを行い、当初の予定よりも貯蓄が進まないといったことが発生します。
また、退職金で一括返済しようと思っていた方も、退職金が想定より安く住宅ローンが残ってしまうというケースもあります。
将来得られる収入を想定して住宅ローンを組んでいるため、予想外の収入の減少は大きく支払い計画やライフプランに影響します。そのため、住宅ローンを予定通りに完済できず、定年後に住宅ローンが残ってしまうということが起きます。
高金利時代の住宅ローンのままにしていた
1990年前半では、住宅ローンの店頭表示金利は8%を超えており、住宅金融公庫の固定金利も4%を超えていました。今は、長引く不況などもあり1%を下回る住宅ローンの商品も非常に多いです。1990年代以前に住宅ローンを借りていた方は、借入当初からローンの借り換えをしていなければ、金利の影響により非常に大きな支払額になっています。実際に35年の住宅ローンを組んだ場合、借入金利1%だと金利の負担額は借入額の20%を下回りますが、借入金利4.5%ですと、負担額は借入額の約2倍になります。
そのため、本来金利が低い経済状況の中で高金利の住宅ローンの支払いが発生し、想定よりも返済が進まないという場合があります。
晩婚化で住宅ローン開始年齢が遅れている
多くの企業では定年が60歳もしくは65歳です。月々の支払いを抑えるために35年でローンを組んでいた場合、25歳もしくは30歳には住宅ローンの返済を始める必要があります。ただ、少しずつ晩婚化が進み家の購入と住宅ローンの借入年齢も少しずつ高齢化が進んでいます。
実際に平均初婚年齢は、1975年では男性27歳、女性24.7歳だったのに対して1995年は男性28.5歳、女性26.3歳、2018年には男性31.2歳、女性29.6歳と上昇傾向にあります。結婚してすぐに住宅ローンを組んだとしても、月々の返済を抑えるために定年を超える借入年数で設定してしまうケースが多いです。その結果、現役世代のうちに繰り上げ返済をしていかなければ、定年後も住宅ローンが残った状態になります。
出典:人口動態調査 人口動態統計 確定数 婚姻|e-Stat
定年までに住宅ローンが終わらないとどうなる?
仮に定年までに住宅ローンを完済できなければ、どのような状況になるのでしょうか。
年金を返済に充てる
年金が支給される場合は、年金から月々の住宅ローンを支払い続けるのが一般的です。
年金から住宅ローンを支払い続けることができれば、貯金を切り崩して手元の現金が徐々に減ることがありません。年金の振込金額は安定しているため、一度支払いのリズムが作れれば安定して払い続けることができます。
一方で、年金で住宅ローンを返済すると、現役で仕事をしていた時のような金額を年金で貰えることは稀なので、生活費を抑えなければいけないことが多いです。また、早い段階から年金の支給を受け始めると、月々の受給金額は減少し、毎月の暮らしをより圧迫する可能性があります。そのため、年金から住宅ローンを支払うという選択をする場合、生活に余裕がない暮らしになってしまう可能性が高くなります。
貯金を返済に充てる
退職金では住宅ローンが完済できず、また、年金でも不十分な場合は、貯金を切り崩して返済を続けなくてはなりません。
もし貯金から一括で返済できるなら、今後発生する金利の負担がなくなるため、メリットは大きいでしょう。預金金利よりも借入金利のほうが高いケースが多いので、返済総額の観点でみても、ほかの選択肢よりもお得です。
しかし、手元からお金がなくなるため、病気や緊急事態など何か高額な支払いが発生した場合に対応できないことがあります。また、せっかく積み立ててきた老後資金が大きく目減りすることは、心理的にも負担になる可能性が高いです。
定年後も働き続ける
年金の支給がまだ先、貯金を減らしたくない、もしくは年金から住宅ローンの返済では厳しいという場合は、定年後も働き続けるという選択肢があります。
定年後まで働き続けて住宅ローンを支払うことができれば、老後資金を減らす必要がなく、そして年金よりも高い収入で余裕のある暮らしができる可能性があります。
とはいえ、たとえば定年後再雇用を利用した場合、給料は現役時代よりも大幅に減額されることが多いです。また、高齢になるほど体力も少しずつ落ちていくため、働ける時間も短くなり、少しずつ収入が得づらくなっていく可能性があります。そのため、定年後の住宅ローンの残額によっては、別の対応方法も考えおく必要があります。
定年後、住宅ローンが払えない場合の対処法
定年後の住宅ローン返済が厳しい方は、どのようにして対処すべきなのでしょうか。具体的な手段を3つ紹介します。
銀行に借入条件変更を相談する
支払いが厳しい場合は、銀行に返済期間の延長などを含む返済計画の見直しの相談をしてみるのも一つの手段です。
メリットは、月々の返済の負担を軽減することができ、生活に余裕をもたせた状態で支払いを安定させることができる可能性が高いことです。また、住宅ローンの支払いが難しくても、家を売却して引っ越す必要がないこともメリットの一つといえるでしょう。
デメリットは、あくまで返済期間を延ばすだけなので返済総額が減少するわけではないことです。むしろ、延長した期間にも金利がかかってくるため返済総額は増加し、最終的な老後資金は減少します。また、返済期間が延びるので完済年齢が上がり、住宅ローンの負担がある生活期間が長くなることです。
注意点は、銀行側が返済期間の延長に応じてくれるかは状況によって異なるため、相談をしてみなければ延長できるかが分からないことです。相談に応じてくれない場合は、ほかの選択肢を探すしかありません。
自宅を売却し、賃貸などほかの家に引っ越す
住宅ローンの支払いが厳しい際によくとられる手段に自宅を売却し、残債を完済するという方法があります。この方法では、残債や返済状況によってメリット、デメリットが異なります。
売却金額が住宅ローンよりも高額になる場合
住宅ローンを完済しても売却益が残るため、老後の資金に対して一時的に余裕をもつことができます。
売却金額が住宅ローンより低い場合
不足分を貯金から支払うという方法、もしくは任意売却という手段があります。任意売却とは、住宅ローンの滞納を繰り返した方、もしくは残債が完済できない状況で売却したい方向けの売却方法です。銀行などの債権者側からの許諾があれば、利用できます。
貯金から支払うことについては前述した内容と同じです。任意売却の場合は、競売よりも自分の意志を反映させた売却をすることができます。銀行によっては、残債の支払い方法を相談にのってくれることもあります。返済できなかった残債は、支払いし続ける必要があるので注意しましょう。
どちらの場合にも共通するのが、慣れ親しんだ家を手放さなくてはならない点です。引っ越しの際に引越費用や礼金・敷金などの一時的な出費も発生することや、販売活動をするため近所の方に知られてしまうこと、さらに現在のコミュニティから離れなければならず大きく生活が変わることなどが、大きなデメリットでしょう。実は、家を売却しつつ、そこから引っ越しをしなくてもよい方法があります。それが、リースバックです。
リースバックを活用する
リースバックとは、家を売却しつつ、その家を賃貸として借りることで住み続けられるサービスです。近年多くの事業者が提供するようになったサービスで、老後資金の確保や住宅ローンの返済負担軽減に役立ちます。
リースバックについては、比較的新しいサービスであり、事業者ごとに提供内容が異なるため、まず複数の事業者に相談をして見積もりや条件提示をしてもらうことが大切です。当サイトでは、そのような比較の作業を簡単に行うことができるサービスを提供しています。簡単な情報入力で、物件の所在エリアでリースバックを提供中の事業者に一括問い合わせができるので、ぜひ一度お試しください。
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