不動産を担保にすることで、低い金利で多くの資金を借り入れることができる不動産担保ローン。多くの金融機関が提供する定番のローン商品です。
その中でも、近年多数の申し込みを受けているのが、東京スター銀行の不動産担保ローン「スター不動産担保ローン」です。
「スター不動産担保ローン」とは
まずは、東京スター銀行が提供する「スター不動産担保ローン」について説明します。
運営会社、東京スター銀行
東京スター銀行は、1999年に経営破たんした東京相和銀行から営業を譲り受ける形で、2001年に誕生した銀行です。
個人向けのサービスに注力している銀行で、「円活 エンカツ<仕組み預金>」や「スターワン1週間円預金」などユニークな金融商品を数多く提供することで知られます。また、金融の悩みをプロに相談できる実店舗「ファイナンシャル・ラウンジ」を全国の主要都市に持つことも大きな特徴といえます。
東京スター銀行の「スター不動産担保ローン」
数ある東京スター銀行の金融商品の中で、不動産を担保にしたローン商品が「スター不動産担保ローン」です。不動産については、自身以外に配偶者、実父母、実兄弟姉妹が所有するものを担保とすることができます。
借り換えや複数ローンのおまとめにも利用できるため、他行よりも金利が安い場合にはメリットが大きいでしょう。また、手にした資金の使途が比較的自由であることも特徴的です。ただし、事業目的での借入はできません。
年収や年齢に関する利用要件は、以下の通り設定されています。
- 年収200万円以上
- 申込時年齢が満20歳以上69歳以下、完済時の年齢が84歳以下
ご覧の通り、幅広いニーズに答えたローン商品であることがわかります。
そのほか、返済額や機関、返済方法については以下の通りです。
融資金額 | 100万円~1億円 |
---|---|
融資期間 | 1年~20年 |
返済方法 | 元利均等返済 (毎月の返済額が一定となる返済方法) |
事務手数料 | 融資額の2.2% |
今回は個人向けの不動産担保ローンを紹介していますが、東京スター銀行は「スター不動産担保ビジネスローン」という商品も扱っています。融資金額は500万円~3億円、金利は年3.75%~6.00%(固定)となっているので、興味のある方は調べてみるとよいでしょう。
「スター不動産担保ローン」の金利や具体的なメリットについては、次章で詳しく解説します。
不動産評価額の約70%が融資上限
ほかの金融機関の不動産担保ローンにもいえることですが、融資を受ける金額は不動産の価値によって異なります。価値が低い場合には、当然、それ以上の融資を受けることは難しくなります。東京スター銀行の場合は、複数の不動産を担保とすることができるため、必要な融資額に届かない場合には、複数不動産の評価を合算するとよいかもしれません。
また、不動産評価においては、国税庁が発表する路線価を参考にしていることが一般的です。その評価額の約70%が融資上限となることを押さえておきましょう。
よくある勘違いとして、「時価(物件を売りに出した場合の金額)の分だけ借りられる」というのがありますが、それよりも実際に借りられる金額は小さくなるので、要注意です。
東京スター銀行の不動産担保ローン金利は安い?
東京スター銀行の不動産担保ローンでは、4つの金利タイプが用意されており、自身がどのように返済していくかによって合うものを選ぶことができます。
「スター不動産担保ローン」の金利
基準金利(%) | 調整幅(%) | 見直しのタイミング | |
---|---|---|---|
変動金利型 | 2.35 | -1.50~6.00 | 6回目の約定返済日 |
固定金利型(3年) | 2.75 | 36回目の約定返済日 | |
固定金利型(5年) | 60回目の約定返済日 | ||
固定金利型(10年) | 120回目の約定返済日 |
(金利は年率)
実際の金利額などについては、公式サイトの返済シミュレーションで確認できます。
ここでは、この金利がどれくらい安いのか、ほかの金融期間と比較をして紹介します。
不動産担保ローンを事業者で比較
今回は、2021年9月時点の楽天銀行、住信SBI銀行、オリックス銀行と比較してみましょう。
東京スター銀行 | 楽天銀行 | 住信SBI銀行 | オリックス銀行 | |
---|---|---|---|---|
返済方法 | 元利均等返済 | 元利均等返済 | 元利均等返済 | 元利均等返済 または 毎月元利均等返済と元利均等年2回増額返済の併用 |
金利(年利%) | 0.85~8.35 | 0.61~9.37 | 2.95~8.9 | 3.3~3.675 |
金利タイプ | 4種類から選べる | 固定金利型(5年) | 変動金利 | 3種類から選べる |
資金使途 | 原則自由 (事業資金はできません) |
原則自由 (事業資金や楽天銀行からの借入はできません) |
原則自由 (事業資金はできません) |
不動産の購入資金や相続、事業承継、その他銀行が相当と認める使途 |
返済方法はどの金融機関も概ね同じですが、金利で比較をしてみると、調整幅を含めた場合は下限が楽天銀行に次ぐ割合、上限がオリックス銀行に次ぐ割合です。
また、金利タイプで比較をしてみると、東京スター銀行がもっとも選択肢が広く、幅広いニーズに応えていることがわかります。
ちなみに、不動産という担保なく銀行から借入をする場合の金利相場は5%~18%、消費者金融のカードローンで借入をする場合の金利相場は17%~18%です。比べてみると、不動産担保ローンの金利はかなり安いことがわかります。
東京スター銀行の不動産担保ローンは住宅ローン返済中でも利用できる?
不動産担保ローンの利用を検討する中では、住宅ローンを完済していなくても利用可能かどうかは重要なポイントです。
住宅ローン返済中の不動産担保ローン活用
ケース・バイ・ケースではあるものの、場合によっては住宅ローン返済中の物件を担保にローンを組むこともできます。担保余力があることなど、いくつかの条件があるため、個別に相談をするとよいでしょう。
ほかの金融機関では、住宅ローン返済中の場合には申込みできないケースもあります。その点、東京スター銀行の商品は検討の余地があるので活用しやすい不動産担保ローンであるといえます。
しかし、万一それが拒否されてしまった場合はどうすればいいのでしょう。
リースバックに切り替える
残っている住宅ローンが影響して新たな借入ができないのならば、おそらくほかの金融機関に問い合わせても厳しいでしょう。
そこで検討したいのが、リースバックです。
リースバックは、融資ではありません。専門事業者などに物件を売却した後、賃貸借契約によってそこに住み続けられるというサービスです。売却可能かどうかという判断は必要ですが、リースバックならローン返済中でも不動産をお金に変えられるかもしれません。
ただし、リースバックはまだまだ新しいサービスです。なので、いくつかの事業者に問い合わせをして、少しでも条件のよい事業者をみつけて取引をするとよいでしょう。
提供事業者によって条件が違うリースバック。一括問い合わせで比較をしましょう!