「ろうきん」は銀行や信用金庫、信用組合同様に金融庁から免許を与えられた金融機関です。銀行と同じようにお金を預けたり借りたりすることができます。
では、ろうきんとはどのような金融機関なのでしょうか。また、ろうきんが取り扱っている不動産担保ローンとはどうのような商品なのでしょうか。説明していきます。
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ろうきんの不動産担保ローンとは?
不動産を担保に入れてお金を借りることができるのは、銀行だけではありません。実はろうきんでも、一部で取り扱っています。
ここではろうきんの不動産担保ローンについて解説します。ほかの金融機関とはどこが違うのでしょうか。
ろうきんとは
「ろうきん」とは、労働金庫の愛称のことで、“はたらく人のための”協同組織の金融機関です。全国に13のろうきんがあり、それぞれが独立して経営されています。
ろうきん | 銀行 | |
---|---|---|
運営 | 協同組織
|
株式会社
|
運用 | 福祉金融
|
企業融資
|
(出典:よくあるご質問|長野ろうきん)
資金量 | 17,633,335百万円 |
---|---|
融資量 | 12,127,912百万円 |
また、自己資本比率は、全てのろうきんが国内基準の4%をクリアしており、不良債権比率においても1%を切っています。つまり、ろうきんは極めて健全な運営がなされているといえます。
ろうきんの不動産担保ローンとは
ろうきんでは、どのような内容の「不動産担保ローン」を取り扱っているのでしょうか。
「不動産担保ローン」の特徴や要件は、以下のようになっています。
申込できる方 |
|
---|---|
資金使途 | 耐久消費材の購入など |
融資金額*¹ | 30 万円以上 1 億円以内(原則として 1 万円単位) |
返済期間 | 35 年以内 |
返済方法 | 毎月返済または毎月・ボーナス併用返済 |
保 証 | ろうきん指定の保証機関による保証 |
担 保 | 融資対象不動産に第一順位の抵当権を設定 |
生命保険 | 団体信用生命保険に加入(ただし保険料は全額ろうきんが負担) |
融資金額*¹ 北陸ろうきんは100 万円以上5,000万円以内
しかし、実は13ろうきん中、半分以上の7ろうきんでは不動産を担保としたローンは取り扱っていません。
「不動産担保ローン」取り扱いエリア | 中央、北陸 |
---|---|
不動産を担保にしたローン(リバースモーゲージなど)取り扱いエリア | 中央、北陸、新潟、静岡、中国、四国 |
不動産担保ローンも不動産を担保にしたローンも取り扱っていないエリア | 北海道、東北、長野、東海、近畿、九州、沖縄 |
「不動産担保ローン」を取り扱っているのは中央、北陸の2ろうきんのみで、新潟、静岡、中国、四国の各ろうきんは「リバースモーゲージ」という商品を取り扱っています。
ほかの金融機関との違いは?
銀行等ほかの金融機関と、借入要件に関してはあまり差がありません。
しかし、ろうきんにおいては特に、以下のようなケースに注意が必要です。
- ろうきんの構成員でないと融資が受けられない
- 地域によっては管轄しているろうきんが不動産担保ローンを取り扱っていない
居住、勤務している地域のろうきんに、構成員として加入すればろうきんを利用することができます。また、前述のように不動産担保ローンを取り扱っているろうきんは2ろうきんだけなので、管轄エリアでなければ利用できません。
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ろうきんの不動産担保ローン審査は厳しい?
融資を受ける際、金融機関は審査をして融資の可否を判断します。
では、ろうきんの不動産担保ローンはどのような審査をしているのでしょうか。
ローンの審査内容・基準について
申込をうけると、2つのことを審査します。
- 申込人
- 担保不動産
それぞれ説明していきます。
申込人についての審査
- 信用状況調査
- 勤務状況、年収、返済比率、他社借入状況
過去にローンやクレジットカードの延滞により、CIC等信用情報機関に登録されていないかチェックします。ほかの金融機関で借入があり、延滞なく返済されていても、クレジットカードや物品購入に際し延滞をしていた場合、それが登録されていることがあります。
また、どれくらいの期間勤務しているか、今回返済分、他社返済分を含めた年間借入返済額を年収で割って返済比率を算出します。年収によって目安となる比率は異なりますが、50%までには抑えるのがベターでしょう。
担保不動産についての審査
- 土地
- 建物
土地の価格は「一物四価(いちぶつよんか)」ともいわれ、国、都道府県から価格が公表されます。ろうきんなど金融機関が土地の評価をする際は、「路線価」で評価するのが一般的です。
決定機関 | 特徴 | |
---|---|---|
公示価格 | 国土交通省 | 一般の土地取引の指標 |
基準地価 | 都道府県 | 基準地価は公示地価を補完 |
路線価 | 国税庁 | 相続税の評価価格 |
固定資産税評価額 | 市区町村 | 公示価格の70%が目安 |
(参考)実勢価格 | – | 実際に市場で売買される取引価格 |
建物の評価額は、以下の式で見積もるのが一般的です。
再調達価格×残存年数÷耐用年数
再調達価 | 1㎡当たりにかかる費用(構造物により150千円~270千円くらい) |
---|---|
耐用年数 | 担保評価において、木造:25年、鉄骨造:30年、鉄筋コンクリート:35年 |
残存年数 | 耐用年数-築年数 |
これらの「土地」「建物」の評価額に約70%を掛けて「担保価」を出します。
ろうきんの不動産担保ローン審査は厳しいのか?
借入申込の際、借入申込書に預金やローン、所有不動産について記載する箇所があります。預金や不動産等「資産」の多い申込人については審査に通りやすい傾向があります。
また、収入に対する返済比率が低いほうが、返済に余裕があるとみなされ有利になることもあります。
ろうきんの「不動産担保ローン」の場合、借入要件に抵当権を一番順位で設定することが求められます。そのため、当該不動産を担保に入れて既に借入されている場合は厳しいかもしれません。なぜなら、要件通りに設定するには、元の借り入れを返済する必要があるからです。
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ろうきんの不動産担保ローン以外の選択肢は?
ろうきんの「不動産担保ローン」以外にも、不動産を利用した資金調達の方法はないのでしょうか?
ノンバンクでの不動産担保ローン
基本的にろうきん、銀行等の不動産担保ローンと同じですが、若干異なるところがあります。
それが次に述べるメリット・デメリットです。
ノンバンクのメリット
ろうきんや銀行は、融資実行に際し、保証会社に保証を依頼し、保証会社が審査します。しかし、保証会社も複数の金融機関の保証委託を受けているのでどうしても時間がかかります。それに対し、ノンバンクは審査から融資実行までオールインワンで行うためろうきん、銀行に比べて早くなります。
ノンバンクのデメリット
万一、申込人が支払えなくなり、債務不履行になるというリスクをあらかじめノンバンクは考慮して金利設定しているため金利は高くなります。
不動産売却
資金調達として売却が考えられます。もちろんそこにもメリット、デメリットがあります。
不動産売却のメリット
固定資産税の支払がなくなります。毎年税金を支払っていたものがなくなり、資金的に余裕ができます。
また、相続における争い、いわゆる「争族」がなくなります。相続の際、最ももめるといわれているのが不動産の相続といわれています。主な理由として、
- 高価である
- 預金のように分割しにくい
があります。
不動産売却のデメリット
今まで住んでいた自宅を売りに出しても、すぐに買い手が見つかればいいのですが、なかなかそうとも限りません。おまけに、買主が考えている価格と売主のそれとに乖離が大きければ売却を断念せざるを得ないケースが発生します。
ほかにも、以下のようなデメリットが考えられます。
- 購入価格より高く売却できた場合、売却益が発生し、税金を支払う必要がある
- 転宅先の住居、環境に慣れるか未知数
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入力するときに、土地や建物の面積などの情報が必要になります。あらかじめ、土地や建物の情報がわかる資料を用意しておくと、入力がスムーズです。